夕暮れに、ごめんね。(4p)
人影
日も落ちて、いつの間にかあたりは薄暗くなっていた。
東京と違って、街の色が優しい気がする。


踏ん切りを付けたつもりで、故郷に帰ってきたっていうのに、まだこの恋を忘れられないでいる。

小径を登ってくる人影が信ちゃんに見えてしまう。

未練たらたら。
ミカ、しっかりしろ。

それでも、信ちゃんに似たその人から目が離せないでいる。


情けない。




「ひさしぶり」


「えっ」

その声は紛れもなく信ちゃん。

(どうして・・)

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