大切なヒト

ドンっ!
「あ、すみません!
あれ?
確か…
同じクラスの一ノ瀬?」

「山田たちじゃん


山田なんか暗くない?
いつもか…」

「あ、うんいろいろあって…」

「まさか好きな人にフラれたとか?
まぁそんなこと気にすんなって!」

「勝手なこといわないで…
一ノ瀬に私の気持ち…何が分かるの…」

たったったったった

「架那!!」

「何だよ…あいつ」

「架那ね…
中二の頃ちゃんと好きな人いて
その人と付き合ってた…
けど…亡くなったの…」

「え!?」

「その人が意外にもけっこう
モテてそれで架那は他の女子たちから
ひどいイジメをウケた…
それでその人は架那をかばって亡くなったの…
それをやったのが…
架那の友達なの」

「マジで!?」

「うん…
架那…自分のの事恨んでるの…
ここもその人と来たらしいよ…

ごめん…一ノ瀬…
さっきの事許してやって…
架那ずっと抱え込んでて
普通が分からなくなったの…
だから」

「分かった!
大丈夫!最初っからキレたりしねぇーよ
そんなことよりあいつ大丈夫なのか?」

「あ!!どうしよ…」

プルプルプルプルプル

「ダメだ…架那電話出ない…」

「俺一緒に探すよ!」

「でも友達と来てるんじゃ…」

「まとわといえば俺があんなこと言ったから
だし…
行くよ!!」

「ありがと



かなー?
かなー?」

「やまだー
やまだー」





「どうせ…
私なんかいなくてもいい存在だもん…」

架那はナイフを取り出していた。
そっと手首にあてる

真弓…ごめん…

「やめろ!!」

バチン!

「一ノ瀬…」

「死んでどうすんだよ!!
その優都ってやつは幸せになれって言ったんだろ!!
それならお前が幸せになんねぇーでどーすんだよ!!」

「幸せに…なんかなっていけないの…
私なんか…」

「優都ってやつは?
水野は?
お前が死ぬことに賛成するわけないだろ!!」

「架那…
あたしのためにも…
優都くんのためにも…
死なないで…
あたしには架那が必要なんだよ!!」

「ごめんなさい…
ごめんなさい…ごめんなさい…」

「架那!!」

真弓は架那を精一杯の力で抱き締めた。

「ま…ゆみ…
真弓!!ひくっひくっひくっ」



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