どうして私を選んだの?【完】
「…そういえば、亜衣子はどうしたんだよ?なんだよ、アイツ〜、やっぱし、巧の応援しかしないってか?」
涼太は、何事もなかったかのようにそう言って、肩をすくめた。
また、気をつかわせちゃったかな…。
私は、涼太に対して、そんな罪悪感を感じつつも、
「亜衣子ちゃんは、まだ自分たちの試合が残ってるから、体育館だよ」
なるべく笑顔を浮かべそう言った。
「ふ〜ん?そうなん?」
「うん!だからもう少ししたら来るんじゃないかな?そろそろ試合終わる頃だろうし」
ニコニコと、そう言って笑顔をつくる私、
そんな私の横で、涼太がちらりと、第2グランドの遥斗くんを見ていたなんてこのときは、気づきもしなかった。