どうして私を選んだの?【完】
「あ、亜衣子ちゃん…」
やっと、やっと出来た高校での初めての女友達。
そのことが本当に嬉しくて…すっかり当初の目的を忘れていた私。
「ゆ、優芽!見て!あの人だよっ!」
突然、バシバシと亜衣子ちゃんに背中を叩かれハッとして私は顔を上げた。
「…っ」
そこに立っていたのは…
きれいなサラサラの茶色っぽい髪。
目は、スッとした二重。
背だってかなり高い。
…カッコいい…
まるで、時が止まったように感じた。
これが、私と遥斗くんの出会い。
最初に好きになったのは私。
いわゆる、一目惚れだった。