天神楽の鳴き声
そして、三年後、二度目の運命が訪れる。

帝、志臣(シオミ)と朱色の巫女、雛生の婚姻の儀―…。

この結婚で私は天神楽に近づく。この世界には疑問が多すぎる。

「誓いますか―…」
「誓います」

あの時、胡兎は雛生に助けを求めていた。雛生は手を伸ばさなかった。

雛生は特上の笑顔をつくる。
ねぇ、胡兎、私はあの頃から謝ってばかりいるよ。
私の中の胡兎、憎んでいるんでしょう?憎悪で真っ赤な顔をしているんでしょう?


ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい、ごめんなさい。

謝りは誰にも届かない。
届かない。

雛生は戦いの始まりの合図のように帝に口付けた。
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