天神楽の鳴き声
「では、我々は下がらせていただきます」

邪魔してはいけないと思ったのか、莉津は室を出るため、丁寧に礼をした。こういうとき、莉津はこの三人の従者の中で一番の常識人といえるだろう、自分の職分を越えることなく、最善を尽くそうとする。


「主上、ヤッちまうんですよー!!」

軽い衝撃に目眩を覚える。
こいつらは。

何を、というのは、あまりに下品。

「空平さん、殴りますよぉ?」
「ど、何処を」
「あら、聞きますー?」

莉津の笑顔にごめん、ごめん、とひきつりながら謝る。莉津はおしとやか、そして潔癖のためがかなりつりあがっている。

「やだぁ、二人ともーっ!!莉津も握ってやるぐらいにしなよぉ」


きゃはー、と大爆笑する明乎。下ネタに拍車をわざわざかける明乎に空平は、

「それじゃ、男としては嬉しいでしょ」
「空平ってば、それじゃ減点じゃないー?」

「空平さん、明乎ーっ!!」
莉津はそろそろ限界なのか大声ど怒る。

あまりの桃色話に雛生は顔を赤くし、ぷるぷる震えながら、いい放つ。


「全員、出てけ!!」

すごすごと、三人は出ていく。空平は負けじと、ヤッちゃえよと合図を出し、志臣もそれに答えて親指を突き立てる。


おい、
雛生は志臣を殴る。

「痛い、雛ちゃん」

「それより、考えてくれた?そーいうことは、私の出した交換条件呑んだらつったでしょ?」

にやり、と志臣に笑いかけた。


―…
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