隣のマネージャーさん。


「ハイハイ、そこ‼︎じゃれない‼︎」
「じゃ、じゃれてません!!」
「ハイハイ。結愛、ちゃんと全員のプレー観察できたか?」
「はい、バッチリです‼︎」
「そうか、ありがとうな。よし、今日の練習はここまで‼︎自主練する奴は鍵締めしっかりしてけよ。」

勇大先輩がそう言って今日の部活は終わった。

あたしは全員のプレーの改善点をメモをした紙を監督に渡した。

「お前は、いい眼を持ってるな。」
「え、そうですか?」

メモした紙を一通り見て、監督は頷きながら言った。

「結愛、俺自主練やるけど…」
「あたしも残るよ。悠くんと一緒に帰る。」
「わかった。結愛って……本当に可愛いよなぁ。」

そう言って悠くんはいつものようにあたしの頭を撫でた。

「出たよ、悠の兄馬鹿っぷりが。」
「いいじゃないですか‼︎家族愛ですよ。ってか、兄馬鹿って何ですか、タク先輩。」
「親馬鹿ならぬ、兄馬鹿ってことだよ。な、カズ。」
「……勝手に言ってろ。」

酷いよ、カズ!!と言いながらタク先輩はバスケットボールをカズ先輩に投げつけた。

カズ先輩はボールを避けたけど……


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