隣のマネージャーさん。


「あ〜あ…また美姫ちゃんに怒られちゃった……」

そう言って少ししょんぼりしているヤス先輩の横で、俺はシュート練習をしている。

「…先輩、練習しないとさらに怒られるんじゃないですか?意外とマネージャーって部員のこと見てるし……」
「本当に!?もう怒られるの嫌だ!!っていうか、怒らせたくない……」

一瞬、いつもの先輩とは違う顔になった……気がしたけど、言ってまた絡まれたら面倒だしな。

「何、レジくん。僕だってたまには“男”って顔になるんだけど?」
「っ!!」

ニコッと笑って、ヤス先輩はボールをゴール目掛けて投げた。


ザッ!!


「ナイッシュー、ヤス!!」

シュートを決めると、またヤス先輩は俺を見て笑った。

いやいやいや、さっきのはビビった。

この人、本当はもっと黒い…じゃなくて、男らしい性格なんだろうな。



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