隣のマネージャーさん。
「うわぁー…結愛ちゃん、あんた派手にやったわねぇ。」
「はい、すみません、心配かけちゃって…」
驚きながら言ったミズキ先輩に、結愛は申し訳なさそうに言った。
「まぁ、大したことなくて良かったわ‼︎マネージャーの仕事は無理しなくていいから、これからは気をつけるのよ?」
「はい。」
結愛の返事を聞いてニコッとミズキ先輩は笑うと、俺の腕をガッと掴んで、
「あんたは早く練習行くわよ!!」
「え…ちょっと、引っ張んないで下さいって…‼︎」
グイグイ引っ張られながら走って体育館の中に連れてかれた。
途中振り返ると、ひょこひょこ歩く結愛にニコッと笑って手を振られた。
「はい、みなさーん‼︎我が部の次期エースくんのご登場でーす!!」
体育館の中に入って早々、ミズキ先輩は大きな声で叫んだ。
「やっと来たか、桐谷。結愛が心配なのはわかるがなぁ……」
言いかけて監督はまぁいいか、と呟いて組んでいた手をポケットに入れて俺に言った。