隣のマネージャーさん。
「…俺も、インターハイにいくつもりなんで、全力でプレーします。まだまだ先輩達を引退させる気はないんで、よろしくお願いします。」
そう言って俺も手を円の中心に向けて伸ばした。
「じゃあ、最後は部長、勇大先輩で。」
全員が、勇大先輩を見た。
ニコッと優しく笑うと、凛とした表情に変わって、勇大先輩は口角を上にあげた。
「明日からインターハイに繋がる予選が始まる。俺等3年は最後、1・2年生はまだまだこれからがある。だが、勝ち負けにこだわらず最高のプレーをすること!!一生の思い出に残るような試合にしていくこと!!試合に出れなくても、全員でバスケをやっていることを忘れるなよ!!」
サッ、と勇大先輩が手を伸ばすと、先輩達が肩を組み始めた。
「良いこと言うねー、部長さん?」
「……さすがだな、勇大。」
「やめろよ、何か照れるだろ。」
「ちょっと、良い具合に進んでるんだから。ほら、1年も肩組んで!!」
ミーコ先輩に言われて俺達も肩を組む、が……
「悠くんも蓮次くんも、やっぱり背が高いね。」
俺と悠の間にいる結愛が、めいいっぱい背伸びをしながら手を伸ばしていた。