隣のマネージャーさん。


「ヤス、大丈夫か?」
「……うん。」
「………ヤースー!!」
「うわぁ!?」

バシッと思いっきりヤス先輩の背中を叩いた…ってか、平手打ち?したダイ先輩。

少し涙目のヤス先輩がダイ先輩を見ると、先輩は仁王立ちしてあの強い瞳でヤス先輩を見た。

「ヤス、確かに俺も成田は嫌いだ。」
「………」
「だけど、嫌いな奴のせいでバスケを楽しくできないなんて、もっと嫌だろ!?だったら、成田が視界に入ってこないくらい試合に集中しろよ‼︎じゃないと、俺が試合に出るぞ!!」
「ダイちゃん……」

ニカッと今度は明るく笑って、ヤス先輩の肩に手を置いた。

「バスケは、楽しんだ方が勝ちだぞ?」
「はは、ダイちゃんには敵わないや。ありがと、目が覚めたよ。」

ヤス先輩はいつもみたいにフワッと笑って、グイッと流れる汗を拭った。

「じゃあ、ダイも頑張りなさいよ。」
「おう、もっと声張って応援するぞ‼︎」
「違うわよ、あんたも試合に出るのよ!!」
「……は?ミズキ、何言って…」
「第3クォーターで、俺とチェンジでいいんですよね、監督?」

固まったままのダイ先輩に俺が言うと、監督も頷いた。



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