隣のマネージャーさん。
賑やかな小休憩の後、第4クォーターが始まった。
「……向こうも追い上げてきたな。」
監督が少し険しい顔つきで、しばらく閉ざしていた口を開けた。
「はい…比良賀の選手は技術は個人に差があるけど、持久力が高いですね。」
「そうだな…飯田の奴、変に焦らないといいが…」
結愛に監督はそう言うと、また黙り込んだ。
「……ダイ、大丈夫かな…」
ミズキ先輩やミーコ先輩も心配そうにダイ先輩を見た。
「大丈夫ですよ、ダイ先輩は。」
「悠?」
コートの中を見て頭の後ろで手を組んだ悠は、楽しそうに笑って言った。
「だって、すっげぇ楽しそうにバスケしてるんだからさ。」
「ダイちゃん、シュート!!」
「いけぇ!!」
「だから、大丈夫だって。」
ダイ先輩の手から放たれたボールは、綺麗な軌跡をつくってゴールネットを揺らした。
「ナイッシュー!!」
「っしゃぁ!!」
成田さんは完全にペースを乱したらしく、試合が始まった時に比べるとだいぶ動きが鈍くなっていた。
何だよ……口だけじゃねぇかよ。
「あと5秒!!」
「もう一発決めちゃいなよ、ダイ!!」
「いけいけ、ダイちゃん〜!!」
「決めろ、ダイ!!」
「お前に美味しいとこ、くれてやる!!」
「「「ダイ先輩!!シュート、シュート!!」」」
コートの中のメンバーやベンチの声援に、ダイ先輩はニッと笑ってゴール目掛けてダッシュした。