隣のマネージャーさん。


「とりあえず、第1関門は突破できたな。」

勇大先輩は優しく笑って言った。

「よし、次もこの調子で頑張るぞ!!もちろん、楽しみながらな。」
「「はい!!」」

頼もしい部長の言葉に、全員元気に返事をした。

試合後、監督を除く全員で観客席で他校の試合を観ていると、見覚えのある人が近づいてきた。

「ダイ…」
「成田?」
「っ何しに来たんだよ…‼︎」

反射的にダイ先輩と成田さんの間に立ちはだかったヤス先輩。

「…ダイにちゃんと言っておこうと思って。」
「今さら何を…ダイちゃん?」

食って掛かろうとしたヤス先輩の肩に手を置いたダイ先輩は、一歩前に出て成田さんと向き合った。

「何だ、どした?」
「…あの時、ずっと謝ることしかできなかったけど、俺を庇ってくれたお前に…ダイに、ちゃんと言いたかったことがある。」

サッ、と綺麗に頭を下げた成田さんが口を開いた。

「ありがとう、ダイ。あの時、俺を庇ってくれて、ありがとう!!」
「成田…」
「あの時、ダイが庇ってくれなかったら…俺は頭から床に倒れてた。ダイの腕が、俺の首と頭の下になかったら…俺は今ここにいなかった!!あんなことも言っちまったし、今さら許してほしいなんて思ってない。悪いとも思ってる…でも、あの時言えなかったことをちゃんと伝えたかった。ありがとう…」

成田さんは、また深く頭を下げた。



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