隣のマネージャーさん。
騒ぐ女子達を睨み付けてやろうかと思った時だった。
「蓮次くん。」
トクンッ……
少し離れた場所から、俺を呼んだ結愛の声が聞こえた。
騒ぐ女子の声よりも小さかったけど、はっきりと届いた柔らかい声。
頭の痛みも、すぅっと和らいだ。
「大丈夫?あまり顔色良くないよ?」
「ちょっと疲れただけだから…」
「なら、いいけど。それにしても、すごい人気だねー。あたし、睨まれてるもん……」
結愛は苦笑しながら女子の視線から逃げるように何歩か後退りした。
結愛はミーコ先輩やミズキ先輩みたいに強め女子じゃないけど人懐っこいし、悠と双子だから嫌われたりすることはないんだろうけど……
そんな結愛に対する他の女子の嫉妬の渦のまいた視線は、半端じゃないくらい鋭かった。
「あはは…あたし何かしたかなぁ〜?」
結愛は少し怯えて冗談っぽく言って笑ったけど、あまり気にしている様子はなかった。
「……本当、うるせぇ…」
「苦手なんだ?」
「……ピーピー騒ぐ女子はな。」
クスッと笑った結愛を見て、あぁ、結愛のこの顔好きだなぁ…なんて思った。
………って、ん?
俺、今………