隣のマネージャーさん。
「お似合いだと思うなー‼︎部活もクラスも一緒だし、仲良いし。」
「まぁ…仲が良いっていうか、危なっかしいから目が離せないんだよな、結愛は……」
「そういうところが、可愛いんじゃねぇの?」
いつの間にか俺の心配の話から、恋愛の話しに変わっている…
しかも、すごく恋愛に詳しい感じに話す叶多をじーっと見ると、俺の考えがわかったのか苦笑いした。
「いや…兄ちゃん達の相談の矛先が俺に集中するからさ、それで詳しいだけだから。ほら、兄ちゃんレジに似てるって言っただろ?」
「うん、まぁ…」
「信じてないだろ…まぁ、いいけどさ。無理にとは言わないけど、ただ仲が良いってだけじゃ進展はないと思うよ?ライバルは多いわけだし。」
ライバルは多い……か。
確かに、結愛の男子人気は半端じゃない。
女子からだって人気が高いわけだし、油断したらいろいろと危ない。
まぁ……結愛本人が鈍いっていうのがある意味救いなわけだけど。
「まぁ、バスケも恋愛も無理しない程度に頑張れよ。いつでも相談乗るからさ。」
ポンッと肩に手を置いた叶多に、何だか救われた気がした。
「お前って……勇大先輩みたいに意外としっかりしてんだな。」
「まぁ、三男ですから。」
そう言って笑った叶多に笑顔で返して、夕日に染まる道を並んで歩いた。
叶多といろいろと話せて良かった、と。
叶多が大人びてる理由が、全部じゃないけどわかった気がした。