隣のマネージャーさん。
…翌日…
「レジ‼︎」
シュッ、と投げられたボールを受けとる。
「レジ、そのままシュート!!」
ゴール目掛けてボールを投げる。
ザンッ!!
「ナイッシュー!!」
「いいぞ、その調子!!」
「残り3分切ったわよ!!」
決勝戦の日を控えた前日、今は体育館で練習中。
選抜メンバー(5人)対ベンチメンバー(4人)の試合形式で練習している。
「きゃー、タクせんぱーい!!」
「桐谷くーん!!」
「ヤスくーん、こっち向いてー!!」
体育館の入り口で溜まっている、めちゃくちゃうるさい女子達。
ただでさえ暑いのに、風の通り道を塞がれたらさらに暑い。
マネージャーも通りにくそうだし……
イライラする。
ガッコン!!
「おー、いいね、レジくん!!」
「いいダンクシュートだったね〜。」
「イライラの力をぶつけたな、レジ!!」
「……颯汰、うるせぇ。あー、あっちぃ‼︎」
前髪をかきあげながら額の汗を拭うと、さらに女子達は騒いだ。
「「きゃああ〜!!桐谷く〜ん!!」」
「うるせぇっつーの……」
「あはは…イライラしてんな。」
俺の横を通りすぎながら苦笑する叶多。
「あと1分‼︎」
「へばるなー、へばったらしばく!!」
勘弁してください、ミーコ先輩。
さらに、その隣で笑って「絞めるわよ!!」とか言わないでください、ミズキ先輩……
きゃーきゃー騒ぐ女子を横目に練習を続ける。
勇大先輩もカズ先輩も余裕そうな顔してるし、タク先輩に関してはファンの女子にウィンクやら投げキッスやらをしている。
少女マンガみたいなことやる人、いたんだ……
ピピー!!
「はい、終了ー!!」
「お疲れさまー、休憩よ。」
汗を拭いながらコートから出る。
颯汰はその場で伸びていた。
「あぢー……」
「おーい、颯汰大丈夫かー?」
「ダイ先輩…暑いっす…」
「本当、暑いね〜、今日は。」
みんなそう言いながら床に腰を下ろした。