隣のマネージャーさん。


「ちょ…ちょっと、通りまーす‼︎」

騒ぐ女子の間を縫うように、必死に通って体育館の中に入って来たのは……

「冷やしたタオルと、冷たーいドリンクですよー!!」
「待ってました!!結愛〜!!」

重たそうなクーラーボックスを持った結愛が、汗を光らせながら笑顔で手を振った。

「はい、どうぞ‼︎」

結愛は一人一人に冷えたタオルとドリンクを渡していった。

「はい、蓮次くん‼︎」


トクンッ…


「……サンキュ。」

ニコッと笑った結愛に、鼓動が速くなる。

笑って俺を見る叶多を軽く睨みながら結愛からタオルとドリンクを受け取る。

すると、結愛の背中に何か動くものを見つけた。

「結愛、何か背中についてる。」
「え、どこ?ゴミかな?」

必死に背中を見ようとする結愛。

「いや…ゴミじゃなくて、虫。」

そう言うと、結愛は固まった。

この反応はもしや……

「結愛って……虫苦手?」
「れれれ蓮次くん!!はは、早く、早く取ってー!!」
「わかったわかった。ちょっと後ろ向いて……」
「いやあぁー!!動いたぁー!!」

そう叫ぶと、結愛は俺にしがみついてきた。



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