隣のマネージャーさん。
そんなやり取りを終えると、先輩達や颯汰達にからかわれた。
悠だけはニコニコといつもみたいに爽やかに笑っていたけど、やっぱり双子だからなのか?
俺が結愛を好きだってことに、気づいていないみたいだ。
鈍いところは、やっぱり同じなのか?
結愛の鈍さはある意味凶器だけど、悠の鈍さにはある意味救われた気がした。
「てか、何でずっとレジをからかってるんですか?結愛の背中についてた虫をとってあげただけじゃないですか。」
「ん〜?悠くんは知らなくてもいいよ〜。大したことじゃないしね?」
「じゃあ気にしません。」
「うわっ、素直!!」
おまけに、人一倍素直なとこまでそっくりで。
まぁ、そこが悠も結愛も良いところなんだけど……
「げっ、ハチが入ってきた!!」
「嘘!!こっち来ないでー!!」
そう言って騒ぐミズキ先輩と結愛とは別に、近くにあったタオルを握り締めてパァン!!と勢いよくハチ目掛けて振り下ろしたミーコ先輩。
「もう…ハチが入ってきたくらいで騒がないの‼︎」
パクパクと口を動かす2人にニコッと笑うと、ミーコ先輩はぺいっ、とタオルについたハチを体育館の外に出した。
「こ…恐えぇ…」
「さすが都子。」
「勇大だけだぞ、そう言えるの…」
勇大先輩以外は、みんな青い顔をしてニコニコ笑うミーコ先輩を見ていた。
……夏なのに寒さを感じさせるミーコ先輩のたくましさに、尊敬します。