隣のマネージャーさん。


「溶けるから早く食え。それ食い終わったら今日の練習は終わりな。」

まだ昼過ぎの3時半だったけど全員へとへとで、普段運動をしないマネージャーまでもが伸びていた。

「感謝して食え‼︎」
「「監督…ありがとうございます‼︎」」

全員口元を緩ませながら、少し恥ずかしそうにそっぽを向いてアイスをかじる監督を見て言った。

「……おう。明日は、頑張れよ。」
「「はい!!」」

アイスを口に含みながらフッと笑った監督の横顔を見て、俺もアイスにかじりついた。

「……冷た…」

セミが忙しく鳴く声が響く暑い体育館の中、頭がキーンとするくらい冷たくて甘いアイスをバスケ部全員で頬張った。

監督の思いも伝わった気がしたし、こういう決勝戦前日の練習もいいのかもしれないと思った。


「……めちゃくちゃ、頭にキーンとくる…」




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