隣のマネージャーさん。


「で、対戦相手ってどこー?」

タク先輩がミーコ先輩の頭に顎を乗せながら聞いた。

「ちょっと…タク、顎痛い…」
「タク、どけ。」
「わぁ!?…ちぇっ、勇大のケチー。」

タク先輩からミーコ先輩を離した勇大先輩は少しだけムッ、とした表情でタク先輩を見てからミーコ先輩の頭を撫でた。

滅多に見れない光景だな…っていうか、初めて見た。

「あ、頭撫でないでよ‼︎」
「ん?消毒。」
「っ…恥ずかしいでしょ、馬鹿勇大…」

顔を赤くするミーコ先輩の頭をまたポンポンとすると、ミーコ先輩は対戦表を勇大先輩に押し付けた。

「はい、た、対戦表!!」
「あはは、ありがとう。」
「うわー、超レアなイチャつきっぷりだ!!」
「ラブラブで安心しましたよ〜。」
「本当!!…って、あんたは私の頭を撫でるな!!」

勇大先輩に便乗してミズキ先輩の頭を撫でるヤス先輩の腹に、ミズキ先輩の肘が……

「…美姫ちゃん…酷いよ…」
「ふんっ、何とでも言いなさい。」
「ミズキ先輩…恐えぇ…」

隣で震える颯汰に同感だ。

ヤス先輩、腹大丈夫かな……

「……勇大、対戦相手はどこだ?」

まるで何も見ていないような態度でカズ先輩が聞いた。

対戦表に目線を移したら勇大先輩は、さっきとは違う真剣な顔になった。



< 258 / 371 >

この作品をシェア

pagetop