隣のマネージャーさん。
「勇大……?」
カズ先輩が真剣な表情のまま対戦表を見つめる勇大先輩の視線の先を見た。
「……なるほどな。」
「何だよ、2人して。対戦相手はどこだよ!!」
そう言って2人の間を割るようにして対戦表を見たタク先輩が、楽しそうにニッ、と笑った。
「そういうことねー?」
「ちょっと、先輩達だけズルイっすよ‼︎対戦相手どこなんですか?」
口を尖らせながらダイ先輩が言うと、勇大先輩はこっちを向いて、
「対戦相手は、桜花学園だ。」
とだけ言った。
「「う…嘘…桜花って…」」
驚きながらもハモる悠と結愛。
全員が固まった。
ただでさえ桜花はバスケの強豪校で有名で、毎年インターハイに出場している。
選抜メンバーはもちろんバスケの技術も体格も他校とは別だし、ベンチのメンバーだって選抜メンバーに負けないくらい強い。
そんな相手と決勝戦で当たるなんて……
AからDブロックまでの決勝戦に勝ち進んだ4校のうち、3校しかインターハイに出場することはできない。
「初っぱなから桜花かよー、手厳しい〜!!」
「…とか言って、楽しそうじゃないかタク。」
「カズだって、さっきからすごく楽しそうだけど?」
「まったく…あんた達くらいよ?そんなに楽しそうなの。」
呆れたように言ったミーコ先輩は、驚く俺達をぐるっと見渡すと笑った。
「まぁ、いずれは通らなきゃいけない道だしね。今当たろうが、次に当たろうが変わんないわよ‼︎」
「…ですね。なっ、レジ?」
俺の肩に腕を回すと、叶多はニィッと口の端を上げて見せた。
俺もそれに答えるように笑った。
「……そうだな、勝てばいいことだし。」