隣のマネージャーさん。


決勝戦の対戦相手が……桜花学園。

最初は全員驚いてたけど、もうやる気満々になっている。

すごいなぁ、なんて思ってる反面、ちょっと複雑な気分だなー…

それは隣で黙ってる悠くんも同じみたいで、ちらっと見ると目が合った。

「「……複雑そうな顔してるよ?」」
「だって…桜花だよ?」
「うん、瞬ちゃんと戦うんだよな…」
「何言ってんだよ、悠、結愛。」

名前を呼ばれた方を見ようとすると、頭をクシャッとされた。

「「わっ…‼︎」」
「2人揃ってそんな顔するなよ。いつかは戦う相手なんだから、今更だし……それに、俺等が勝てばいいだけだろ?」

そう言ってあたしと悠くんの頭をクシャクシャしてた手をどけた。

「「レジ・蓮次くん……」」
「………おい、そんなうるうるした目で見るな…ってか、何でそんな目、して…」
「レージー!!」
「うわっ!?や、やめろ、悠!!ただでさえ暑いのに、余計暑い…っつーか、暑苦しい!!離れろ!!」
「レジー!!」

今あたしの目の前では、悠くんが蓮次くんに抱きついていて、蓮次くんはじたばたともがいている。

はたから見れば、『暑苦しい…』とか、『身長の大きい男子が抱き合ってる?』としか思わないだろうけど、悠くんが誰かに抱きつくなんて滅多にない。

それだけ、悠くんの中で蓮次くんは信頼できる人なんだと思った。

「はー、はぁ……暑かった…」
「いいなー、俺ともハグしよう‼︎レジ……」
「しねぇよ!!」

両手を広げた颯汰くんを軽く睨んでハグを拒否した蓮次くん。

颯汰くんが肩を落とすと、叶多くんが颯汰くんの頭を撫でて慰めてた。

……やっぱりこのメンバーと一緒にいて居心地がいいな、と自然と頬が緩んだ。

「蓮次くん‼︎」
「ん…?……なっ!?」



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