隣のマネージャーさん。
「優しいお父さんとお母さんだね。」
結愛が笑ってそう言った。
その横顔は、どこか寂しそうだった。
「……うるさいけどな。」
「ふふ、そこがいいんじゃない?」
「ふーん…」
と、いうか……
俺、今普通に結愛と話してるけどめちゃくちゃドキドキしてんだけど!!
好きな奴に抱きつかれたら誰だってドキドキするだろ……頑張って普通にしてるけどさ。
心臓バックバクだし、試合の前に疲れる……
「おい、そろそろ場所移動するぞ!!」
「「はい‼︎」」
でも、試合前のいい充電になったかもな。
「結愛、ありがとな。」
「え?うん……?」
首を傾げながらも結愛はニコッと笑った。
その笑顔が好きだ……って、ちゃんと伝えよう。
「……勝ちに行くか。」
試合が終わったらな。
俺は結愛の頭を撫でて笑い返した。