隣のマネージャーさん。


「た、大変だ!!」
「何事だ?」
「え、何なに?何かやらかしたのか、勇大!?」


カズ先輩とタク先輩が勇大先輩に駆け寄って聞くと、先輩は驚いた顔で、でもニヤッと笑いながら言った。


「相手チームのエース……今回は怪我してて試合には出ないらしい!!」


それを聞いた先輩達は、無言でガッツポーズをした。

あのカズ先輩もが、拳を……

「これはチャンスだ、みんな!!」
「いやいや、先輩。油断は禁物ですよ。」
「マジですか!!よくメンバー表見てきましたね!!さすが部長!!」
「おい、颯汰……」
「イエイ!!」
「部長もイエイ!!じゃないですって……まぁ、いっか。」

突っ込むことに疲れた俺は、俺達に与えられたチャンスに喜んでいる先輩や颯汰達を見て息を吐いた。

「良かったね、蓮次くん。」

俺の隣に来てふふっと結愛が柔らかく笑った。


「……だな。」

つられて笑った俺と結愛の間に、監督が割って入った。




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