隣のマネージャーさん。



ピピーッ!!!!


笛の音が鳴り響いて、バスケットボールが審判の手によって高々と真上に投げられた。

カズ先輩と相手チームの先輩が高く高くジャンプする。

「カズ、ボールうまく繋げてっ……」

祈るようにぎゅっと手を組んでカズ先輩を真っ直ぐ見る都子先輩。

他のベンチメンバーも、監督もカズ先輩を見た。

「っ……ふん‼︎」


バシッ!!


小さな声と共にボールに触れたのは……



「っしゃ!!よくやったわ、カズー!!!!」



僅か数㎝の差で、カズ先輩がボールに触れた。


そのままボールは勇大先輩に繋がり、一気にみんなが走り出した。

「いっけー!!三坂ー!!!!」

あたし達や観客席から声援が飛び交う。

「まあ、そう簡単には前へは進めないだろうな……」

そう呟いた監督の言う通り、勇大先輩の前に人の壁ができた。



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