隣のマネージャーさん。


家を出て少し歩いたくらいの時、ガチャッと勢いよく玄関の扉を開ける音がして、

「じいちゃん、いってきまーす!!」

と、悠くんの少し慌てた声が聞こえた。

「結愛ー!!」
「やっと来た。」
「ごめんごめん……昨日は早く寝たんだけどさ、深く眠りすぎた…」
「ふふっ、昨日は部活初日だったしきっと余計に疲れたんだよ。あ、はい。悠くんのお弁当。」
「ん、ありがとう。」

悠くんにお弁当を渡すと、よしよしと頭を撫でられた。

「あ、また頭撫でた。」
「はは、癖なんだよ。結愛は褒めながら頭撫でると嬉しそうな顔するからさ。」
「嬉しいけど……もう小さくないんだから。」
「いや、小さいって。」
「し、身長はしょうがないでしょ‼︎」

そう言えば悠くんは、「結愛が怒ったー」って言いながら走りだした。


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