隣のマネージャーさん。
「わ、瞬ちゃんスイッチ入ったぞ。」
隣で悠くんが身を乗りだしながら言った。
「うん、ヤバイね……」
「ああ、あれはヤバイな……」
予想的中。
瞬ちゃんは簡単に先輩を逃がすわけもなく、振り返ってすぐに長い手足を伸ばして先輩の行く手を阻む。
「うわあ……すげえことになってんな、コートの中は。」
うひぇ~、なんて言いながらその様子を伺う叶多くん。
瞬ちゃんに捕まったら、なかなか逃れることはできない。
身長がある分、手足も人より長いし、一歩も大きい。
目をつけられたら最後、執拗に邪魔をしてくる。
キュキッ、キュッ!!
そんな時、誰かのシューズが床と擦れる音がした。