隣のマネージャーさん。

手の届く距離



蓮次くんがシュートを決めてから相手の動きが変わった……と、いうより。

相手が本気を出し始めたと言った方が合っているかもしれない。

一人一人の動きに、全くと言って良いほど無駄や隙がなくなった。

みんなやりにくそうに試合をしている。

もちろんあたし達のチームも負けてなくて、点を入れて入れられの繰り返し。

ギリギリ一点差でこっちが勝っているけど、気を抜いたら終わりだ。

「……結構キツいわね。」
「そろそろ第2クォーターも終わるし……監督、どうします?」

都子先輩と美姫先輩が監督を見ながら言うと、監督は考えるように腕を組んでコートの中にいる選手達を見た。

「……飯田、悠。準備しとけ。安田と桐谷とチェンジするぞ。」
「「はい!!!!」」

ダイ先輩と悠くんは楽しそうに笑って、ストレッチをし始めた。

あと、20秒……

お願い、あと少しだから、みんな粘って!!!!




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