隣のマネージャーさん。

あと、5分。



「タイム!!」

ちょうど俺が点を入れてすぐ、桜花の監督がタイムをとった。

「これからって時に、タイムか……」
「まあ、まさかここで同点に追いつかれると思ってなかったんだろ……おっ!!?」

悠と話ながらベンチに向かっていると、何かがすごい勢いで俺の体にぶつかった……というより、くっついてきた?

「な、何……ゆ、結愛!!?」
「すごい!!すごいよ蓮次くん!!!!すっごくすっごくいいシュートだったよ!!!!」
「あ、ああ、サンキュ……って、くっつくなよ!!汗臭くなるぞ!!?」

そう言いながらたじたじする俺なんか全く気にせず、抱きついたまま俺を見上げてキラキラと笑う結愛。

可愛いんだけど、心臓がもたないって……

「すっごくすっごく、蓮次くんかっこよかったよ!!!!!!!!」
「っ!!?」

とどめの一言を、キラッキラな笑顔で言われたらもう何も言えなくて。

ただ、顔に熱が集まっていくのがわかった。


「あーあ、駄目だありゃ。」
「完全にノックアウトだね~。」


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