隣のマネージャーさん。


「……あ、ありがとう。わかったから……その……」
「え?あ……ご、ごめん!!疲れてるのに!!暑かったよね?あ、タオルと飲み物持ってくるね!!」


ずっとくっついてたかと思うと、すぐ離れてちまちまと素早く動き出した。

本当に小動物みたいに忙しく動くな、と思ったら何だか笑えてきた。

「はい!!タオルと飲み物……って、何で笑ってるの?」
「くく……結愛って本当小動物みたいだなって。」
「えー?じゃあ、可愛いのがいいなあ。ウサギさんとか……」
「あーはっはっは!!ヤバイ、そっくり……!!」
「えええ!!?そ、そんなに笑わなくても!!」

自分で言っておいてものすごく驚く結愛。

タイム中なのにも関わらず、普通に会話してた。

「何々~僕も仲間に入れてよ~。」
「二人だけで何盛り上がってるんだよ!!」

ヤス先輩達もわいわいと会話に加わってくる。

「おい、お前ら。あと30秒で試合開始だ。息抜きは十分できたみたいだし、まぁ、適当にコート出る前に円陣でも組んどけ。」
「そこは適当でいいんだ……」

呟いたミズキ先輩をジロッと見た監督。
ミズキ先輩はサッと目を逸らした。

「んじゃ、円陣組むか!!」

優しくて強い、勇大先輩の声が響いた。


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