隣のマネージャーさん。


「また、抜かれた!!?」

悠くんが、また瞬ちゃんに抜かれていた。

「くそっ……」
「悠くん……」

すると、勇大先輩がマークしてた選手から離れて瞬ちゃんの前に回り込んだ。

「あ、勇大!!!!」
「部長ー!!!!!!!!」

気づけば悠くんが代わりにその選手をマークしている。

なるほど……そういうことになってたんだ。

「さすが、部長。」
「ど、どういうことだ?」
「つまり、悠くんが瞬ちゃんに抜かれた場合、部長が悠くんに代わって瞬ちゃんのマークをするというフォーメーションを組んでたんです。悠くん、既に1回抜かれてましたから。」

その証拠に、瞬ちゃんが走っていく方向に部長はいた。

「だから、抜かれた瞬間から悠くんは部長がマークしてた選手に向かって走ってたんですよ。」
「さすが結愛……なるほどね。」
「どこかのタイミングで悠くんと部長がフォーメーションの話してたんだね~。」
「さすが勇大先輩だ!!!!」

あと、15秒……

タイマーの数字は刻々と減ってゆく。



< 322 / 371 >

この作品をシェア

pagetop