隣のマネージャーさん。


それでも、とても心地良くて。

あたしもそっ…と、蓮次くんの背中に腕を回した。

「……心が、ポカポカする。」
「……ん。」
「ふふ……蓮次くん、耳真っ赤。」
「うるせえ、わかってるよ……だから、言うなっ。」

トクトクと響いてくる心臓の音を聴くと、安心する。

ぎゅうっ、と抱き締めてくれる腕に力が入ると、もっと安心する。

「あたし……誰かを好きになるの、蓮次くんが初めてなんだ。」
「…………そんな嬉しいこと言うなよ。っていう俺もだけどな。」
「ふふ、一緒だね。」
「ああ……だな。」

そう言ってあたしから少し体を離した蓮次くんと見つめ合う。

「「……ぷっ……ははは!!」」

甘い雰囲気もムードも何もなかったけど、お互い何だかおかしくて。

見つめ合いに慣れてないっていうのもあるから、何だかくすぐったくて我慢できなかった。

2人してクスクス笑いあった。

そうしたらコソコソ、ボソボソ、と話すような声が聞こえてきた。



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