隣のマネージャーさん。


「俺達が3年になって5人も後輩が入ってきて、とても嬉しかった。その反面……バスケが上手い奴等ばかりだったから、選抜メンバーの枠をとられるんじゃないかと……正直不安だった。」
「先輩……」
「……でも、そんなのすぐになくなった。ビックリするくらいいろんな事情抱えた奴等ばかりで、それでも楽しそうに俺達とバスケするから、俺が思ってることなんかちっぽけなことだと思った。」

そこまで言って、勇大先輩をチラッと見た。

「はは、いいよ。普段話さない分、全部話しちゃいなよ。」

勇大先輩はカズ先輩の思ってることがわかったらしく、優しく笑って言った。

「……元気で明るい颯汰と、いつも背中を押してくれる悠に、勇気を貰った。」
「う……ぐずっ、先輩……」
「っ……」
「冷静でバスケの上手いレジに、闘争心というものを教わって、小さいのに頑張り屋な結愛には頑張ることの大切さを教わった。」
「カズ……先輩っ」
「先輩…………」
「自分のことは後で、いつも仲間優先のソーダに思いやりという気持ちを教わって……自分と少し重ねてた。だから……というわけでもないが、ソーダのことは弟みたいに思ってた。」
「……せ、んぱ……い……」
「……ヤスとダイとミズキも、3人でワンセットで、本当に本当に可愛い後輩だ。」

言葉に詰まったカズ先輩を見上げると、目を手で押さえていた。

「……だから……ここで泣いている2人に負けないくらい俺は……このメンバーも、このバスケ部も大好きでっ……やめるのはすごく、寂しい。ただ、ここまで……やってこれたのは、バスケを嫌いにならなかったのは……ここに、いるメンバーのお陰だと、思っている……ありがとう。」
「カズ~!!!!」
「いいこと言うじゃない……っ」

カズ先輩はそう言い終わると、俺達に背中を向けてしゃがみこんだ。

泣いてるのを、見られたくないんだと思う。

カズ先輩が泣くなんて……本当にの部活が大好きったんだな……


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