隣のマネージャーさん。
背が低いし、女子だから手加減しようかと思ってたけど……
「っ……めっちゃ足速えじゃん…」
足が速くて、背が低いからめちゃくちゃすばしっこい。
背が高い俺や先輩が一瞬でも隙を見せたら最後、あの観察眼に捕まる。
それにしても……
「なんつー顔してんだよ…」
めちゃくちゃ楽しそうで、カッコイイ顔してる。
「別人だろ…」
すばしっこく動くけど、お互い距離を保ったまま。
「レジー‼︎手こずってるの珍しいじゃん!!」
「結愛すごっ…」
颯汰と叶多の声がする。
先輩達も俺と結愛の1on1を楽しそうに見ている。
「っし、見えた…!」
キュキュッ!!
気づいたら抜かれてて、結愛はシュートを放っていた。
ガンッ!!
ボールはゴールのリングに当たって床に落ちた。
「……抜かれた…」
落ちたボールを見ながら呟くと、後ろからドンッと何かが床に落ちたような低い音がした。