隣のマネージャーさん。
「そういうことがあって、双子揃ってバスケ馬鹿なわけ。」
「なるほどな……大変だったな。」
「いや、全然‼︎じいちゃんがいるし、結愛もいる。家族がいるから寂しくないし、もう泣き虫じゃないしな‼︎」
そう言いながら笑える悠を、俺はすごいと思った。
大切な人を幼い頃に亡くして、祖父と双子の妹と生活して。
親の愛情も甘えることもあまり知らずにここまで育って、真っ直ぐ前を向いて歩いてる。
「……悠も結愛も…考えが大人だな。すげぇよ。」
「え〜、そんなことないけどなあ〜?」
「あれ、悠くん着替え終わったの?」
「あっ、お帰り‼︎終ったよ、着替えも父さんと母さんの話も。」
「え、そうなの?」
「あぁ、全部聞いた。」
「そっか。」
ニコッと笑って、結愛は先に歩き出した。
「早く帰ろう。」
「そうだな、レジも途中まで一緒に帰ろうぜ。」
「あぁ。」