隣のマネージャーさん。
「じゃあ、半分持つ‼︎」
「え……」
あたしはカゴの取っ手を半分持った。
「別にいいのに…」
「いいの‼︎あたしのお仕事だし…」
「くくっ…結愛は真面目だよな。」
「あ…」
トクンッ…
蓮次くんが笑った。
笑ったのを見たのはこれで二度目だけど、優しい顔で笑った蓮次くんは、はじめて見た。
「…何?」
「蓮次くん…もっと笑った方がいいよ。笑った顔、カッコイイもん。」
「っ……急にそんなこと言うなよ。」
「だって本当だよ?」
「はいはい。」
蓮次くんはそう言ったらあたしから顔を背けた。
言われたくなかったのかな……
蓮次くんは、他の人に比べて何を考えてるのか見ててあまりわからないな、優しいだけど。