ボクらの日々

終わり





「マスター!マスター!!しっかりして下さい!」

ボクは主であるマスターの肩を力いっぱい揺する




「カ……カノ…」

マスターがベッドに横たわりボクの名を呼ぶ




ガタガタガタガタ


マスターの身体が痙攣し始めた




「マスター!いま医者を!!」


ボクは医者を呼びに行こうとした






「…まて……わた…しはもう………た…すから…な…い」


途切れ途切れにボクに言った




「そんなッ!!?マスターがいなくなったらロボットであるボクはどうしたらいいんですか!」

ベッドに近づきマスターに詰め寄る






「す…まな…ぃ…」

ハァハァ


涙を流して謝るマスターにボクの方が泣きそうだ

ロボットであるボクには涙などありはしないのに……








「もう話さないで下さい!息も荒くなってきてますし……」


ボクはもう見ていられない気持ちでいっぱいだった










ゴホッ


「マスター!!血が!!」

血を吐いたマスターの喉からヒューヒューと音がする








「…カ…ノ……もう…わたしの…身体は…だ…めだ。じぶ…んが一番…わ…かってい…る…」



マスターの手が何かを求めるようにうごいた





「カノ……手…を…」


ボクはマスターの手を恐る恐るさわり、ギュッとにぎった










「これ…か…らは…じ…ゆうに…じゆうに…いき…な……さい…カ……ノ……あ…りが…と…ぅ…」



スル…バタッ



マスターの手から力が抜けた








「マスター!!マスターーー!!」










もうマスターは目を覚まさない

そう思うと胸のあたりが苦しくてたまらない






ポタ



ベッドについた手の上に何かが落ちてきた


「水……?」


周りを見るがなにか起こっている様子はない







すると、どこからか吹いてきた風がボクの頬をなぜた


とっさに頬を触ったボクは気がついた




「な…みだ…」



ボクは泣いていたのだ


ロボットであるボクが……とても信じられる話ではなかった


だが、事実ボクの目からは涙がつたっていた








なぜそんなことが起きたのか…今でもボクにはわからない。




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