恋萌え~クールな彼に愛されて~
「あーのーねー!そこまで申し分ない男なら
好きじゃなくてもシてみる価値アリだわよ。
大体、好きかどうか解からないままヤって何が悪いのよ?
そこから始まる事だって全然ありなんだから!」
「そんなぁ」
「いい? 好きだよぅ、好きですぅ なーんて
こっぱずかしい告白して始める恋は中学生まで。
大人の恋の始まりにそんな体育館の裏的なシチュなんてないのが普通。
オトコから個人的に誘われたら、それはもう告白と同じ事よ?
気のない相手なんて絶対誘わないんだから。
もちろん遊びの場合もあるけど、それなら同僚の女は
絶対避けるわね。後が面倒だもの。男がエリートなら尚更よ?
会社での自分の立場が悪くなるような事はしない。
遊ぶならもっと後腐れない女を選ぶわ」
「それは、そうだろうけど……」
捲くし立てる華子に押し切られるように頷いてしまうところは
学生の頃から変わっていないな、と梨花は心で自嘲した。
もちろん互いに親友であり心友でもある二人は
NOがいえない間柄じゃない。相手にどれだけ説得されても
納得できない事には頷いたことは無い。
でも梨花は、黒いものでも白く見せてしまうような
華子の自信に満ちた押しの強さと前向きな姿勢が好きだった。
華子と話ていると、できない事でもできてしまうような
そんな不思議な力をくれるような気がしたからだ。
困った時の華子頼み。
昔からのそんな思いが今も梨花の中にはあるのだった。