恋萌え~クールな彼に愛されて~
頬杖を付いて小さなため息を吐く華子の現状が
幸せではなかったのを梨花は思い出した。
「あ…ごめん…」
「いいの。もう私の事は終わったことだから。気にしないで」
それよりアンタでしょ!と
華子はワインクーラーの冷水を指先で弾いて梨花へと飛ばした。
「今から行って来れば?」
「今からって・・・そんな突然行けないよ。大体何て言うのよ?」
「逃した魚が大きいことに気付いたので、とか」
「そんな事言えるワケないでしょ!」
「じゃあ、恋人になりたいって言われたので
一晩考えて回答しに来ましたって言えば?」
「それも無理。言えない~」
「なんで?本当のことでしょう。こういう事ってね
カッコつけようとするから拗れるの。
アンタ、もう石橋壊して渡れなくしちゃったんだから
あれこれ小細工したって ダーメ。
大声で本心を叫ばないと向こう側の彼に気持ちが届かないわよ」
「でも……」
「じゃ、私が行こうかしら?そんなイイ男なら
一見の価値はありそうだし?
あぁ!何なら一度お手合わせ願うのもいいしね~♪」
「だめ!それはダメ!私が行く!」
思わず立ち上がった梨花を見上げてイシシと笑った華子が
親指を立てててグッドラック!とウインクをした。