恋萌え~クールな彼に愛されて~
その華子に早速ランチを切り上げられ、善は急げとばかりに
余っていたバケットと食材で手早く作ったサンドウィッチと
デザート用に冷やしていたマスカットを持たされた梨花は
ドアの外に放り出された。
「お昼だし差し入れがてら手伝いに来たって言えば大丈夫でしょ」
「ウザイとか…思わないかなあ」
「そん時ゃそん時よ。潔く諦めて戻ってらっしゃい!」
「そんなあ」
「たかが一度拒否られたくらいで手のひら返すような男なら
こっちからお断り、ってね」
「でも…」
そんな高飛車に出てもいいのだろうか?と
梨花は深いため息を落とした。
「大丈夫よ。彼、2年もアンタを想い続けてきたんでしょう?
すぐに落ちるような易い女じゃなかったって案外株上げたかもよ?」
「そうかなあ… そんな風にはとても…」
「も~~ うだうだ言ってないで当たって砕けてこい!」
「えぇー… やっぱり砕けるんだ」
面倒くさい女だねえ、と
苦笑いを浮かべた華子が言葉を続けた。
「その時はワタシのこの豊満な胸で泣かせてあげるよ」
「華子ぉ~」
「はいはい、泣くのはまだ早いでしょ?」
頑張ってきな!と背中に気合の平手を受けた梨花は
差し入れの入った袋を胸に抱え直し、塚本のところへと向った。