恋萌え~クールな彼に愛されて~
「綾瀬君。俺はさっきも言ったように君に誤解されたくないんだ。
君が俺に対して気になっていることはどんな些細な事でも全てクリアにしておきたい。だから誤魔化さずに話をしよう」
自分への真摯な想いが伝わってくる凛とした潔い塚本の声に
梨花は心が震えて、熱いものが込み上げてくるのを感じた。
梨花を想うことに自信さえも抱いているように感じられる。
彼の想いに、その誠意にちゃんと応えなければいけないと
梨花は顔を上げた。
「彼女を… 好きになったりしなかったの?」
「好きだったんだろうな。一緒に居るのが嫌ではなかったし」
「じゃあ 付き合ってたの?その…恋人同士みたいに」
「恋人同士というのとはちょっと違うな。どちらかと言えば友達だな」
「でも!……あの、その…えっと…そういう気持ちにはならなかったの?」
「そういう気持ち、とは?」
身を乗り出すようにテーブルに肘をつき
組んだ手の上に顎を乗せた塚本に
真顔で問われて梨花は困ってしまった。
こういう事は皆まで言わさず察して欲しいと目で訴えてみても
塚本はやはり真顔で 「ん?」 と小さく首を傾げるだけで
一向に気付く気配はなかった。
「昨日その… 私にした事…みたいな」
これで解ってくれなかったらどうしようか、と思った梨花は
ああ、と伏し目がちに苦く笑った塚本の反応を見て
ほっと胸を撫で下ろした。
塚本は ふぅ と短く息をつくと梨花の問いに答えた。
「一度だけ 抱いた」