恋萌え~クールな彼に愛されて~
「綾瀬君!」
叫ぶように梨花を呼んだ塚本が、強引に彼女の腕を引き背中から強く抱きしめた。
「や…」
「帰さない」
「放して」
「嫌だ。このまま帰したら二度と戻ってこない気がする」
塚本は自分の腕の中で背を丸め強張る梨花の身体を力ずくで返すと
奪うように唇を重ねた。突然のくちづけに驚いた梨花は
反射的に抗おうとした。けれど、できなかった。
両腕を押さえ込まれるように抱きすくめられていて身動きがとれない。
酷い。こんなの酷い・・・
そう内心で嘆きながらも、梨花は塚本のこの強引さに
救われたような気もしていた。
だからしようと思えばできた必死の抵抗もしなかった。
梨花も思ったのだ。塚本の言うように今この部屋を出たら
二度と戻れないかもしれないと。
でもそれは塚本に幻滅したからではない。
冷静になって事を納得したその後で
戻ってくる切欠を探すのに死ぬほど苦労するからだ。
どうしよう、どうしたら、と躊躇い悩んでいるうちに
繋がりかけた二人の想いが自然消滅してしまいかねない。
その原因が自分の恋愛に対する不器用さと
慎重とも臆病とも言える姿勢にあるのは梨花も嫌と言うほど解っていた。
だから前向きになろうと努力はしてみても、人はそう簡単には
変われない、変えられない生き物なのだ。
かといって誰かに依存するのは褒められたことではないけれど
尻込みしがちな梨花は相手にもっと自分の内に踏み込んで
引っ張って行って貰いたいと思っていた。
今のこの塚本のように。
塚本の強引さと、奪うような荒々しさは
自分への強い想いがなせるのだと思うと
梨花の身体は熱く昂ぶり、心が震えて肌までが粟立つようだった。
自分は愛するよりも愛されたい気持ちが強いのかもしれないと
朦朧としかかった意識の中で梨花はふと思った。
その刹那、キスが深くなり温度が上がった。
自分とは別の熱に口内を甘く艶かしく蹂躙された梨花は
徐々に力が抜けていく身体を逞しい腕に預けて
うっとりとされるがままに任せた。
叫ぶように梨花を呼んだ塚本が、強引に彼女の腕を引き背中から強く抱きしめた。
「や…」
「帰さない」
「放して」
「嫌だ。このまま帰したら二度と戻ってこない気がする」
塚本は自分の腕の中で背を丸め強張る梨花の身体を力ずくで返すと
奪うように唇を重ねた。突然のくちづけに驚いた梨花は
反射的に抗おうとした。けれど、できなかった。
両腕を押さえ込まれるように抱きすくめられていて身動きがとれない。
酷い。こんなの酷い・・・
そう内心で嘆きながらも、梨花は塚本のこの強引さに
救われたような気もしていた。
だからしようと思えばできた必死の抵抗もしなかった。
梨花も思ったのだ。塚本の言うように今この部屋を出たら
二度と戻れないかもしれないと。
でもそれは塚本に幻滅したからではない。
冷静になって事を納得したその後で
戻ってくる切欠を探すのに死ぬほど苦労するからだ。
どうしよう、どうしたら、と躊躇い悩んでいるうちに
繋がりかけた二人の想いが自然消滅してしまいかねない。
その原因が自分の恋愛に対する不器用さと
慎重とも臆病とも言える姿勢にあるのは梨花も嫌と言うほど解っていた。
だから前向きになろうと努力はしてみても、人はそう簡単には
変われない、変えられない生き物なのだ。
かといって誰かに依存するのは褒められたことではないけれど
尻込みしがちな梨花は相手にもっと自分の内に踏み込んで
引っ張って行って貰いたいと思っていた。
今のこの塚本のように。
塚本の強引さと、奪うような荒々しさは
自分への強い想いがなせるのだと思うと
梨花の身体は熱く昂ぶり、心が震えて肌までが粟立つようだった。
自分は愛するよりも愛されたい気持ちが強いのかもしれないと
朦朧としかかった意識の中で梨花はふと思った。
その刹那、キスが深くなり温度が上がった。
自分とは別の熱に口内を甘く艶かしく蹂躙された梨花は
徐々に力が抜けていく身体を逞しい腕に預けて
うっとりとされるがままに任せた。