恋萌え~クールな彼に愛されて~
「悪く思わないで欲しい。言葉よりも…伝わると思った。すまない」
梨花の身体の強張りが解けたのに気付いた塚本は
ほんの少しだけ唇を離すと搾り出すように小さく呟いた。
そんな塚本を梨花は愛しげに見上げた。
「いいの」
「いいのか?」
「よくないけど、いいの」
「何だ?それは」
困ったように微笑んだ塚本の額に、梨花は背伸びをして自分の額をそっと当てた。
「私って器用に恋愛ができるタイプじゃないの。
おまけに臆病だし・・・ 石橋なんて叩いて壊して渡れなくしちゃうくらい。
それに今さっき、すごく嫉妬深くて独占欲が強いってこともわかった。
男性にしてみれば厄介で面倒な女かもしれない。
それでも貴方はいいの?私を恋人にしたい?」
「もちろん」
一瞬の迷いもなく当然の事の様に即答した塚本は
困ったように笑った梨花の耳元に低く呟いた。
「厄介で面倒なのは俺の方かもしれないぞ?」
「そうなの?」
「嫌か?」
「嫌じゃないわ・・・あなたなら」
甘やかに目を細めて梨花の瞳を覗き込んだ塚本はまた唇を重ねた。
この上なく甘く蕩けていくようなくちづけに心酔した二人は
抱き合ったままもつれるようにベッドルームのドアを開けた。