恋萌え~クールな彼に愛されて~

エピローグ 


「で、梨花ちゃんは今のところ ラッブラブでハッピーハッピーなわけだ」
「やめてよ、からかわないで」
「あら、照れることないでしょう?幸せなら手を叩きなさい。ほらほら~」
「もぅ! 何いってんの?」
「やっと巡ってきた春なんだから大いに惚気ていいわよ。許す」
「そんなの、いいってば」
「よーし。もう一回乾杯しよう。乾杯!」


背中を押してくれた華子への報告はやはり休日のランチだった。
でも今回はお礼も兼ねて梨花の奢りだ。
評判に違わない絶品料理の味に舌鼓を打ちながら挙げた祝杯に
梨花は照れながらも心地よく酔った。



「梨花」
「んー?」
「こんな事、今言うのは何だけどさ……」
「いいわよ。言って」
「あんなにイイ男と付き合うのは 正直キツいかもしれない」
「うん」
「例の元カノだって、どうなるかわからないし」
「嫌な事 言わないで。大丈夫よ。彼女にはもう婚約者がいるんだから」


あの日、塚本の部屋で抱き合った後
茶々にはパトロンを兼ねた青年実業家の恋人がいるのだと聞かされた。
互いの家族も公認で、来年には籍も入れるのだとか。


「破談になるかもよ?」
「怒るわよ?」


えへへ、と苦笑した華子がごめん、と頭を掻いて
「でもね?」と話を続けた。


「この先、カノジョが何よ?横取ってやるわっ!ってツワモノが
出てくるかもしれない」
「・・・うん」
「それがどれだけ凄い女でも、絶対諦めちゃ駄目よ?」
「うん」
「彼を好きなら信じなさい。信じられない時はとことん話し合いなさい」
「わかってる」
「やっと芽が出たんだから、大事に育てて」
「頑張る」


まだまだ小さな双葉のような芽だけれど
雨にも負けず 風にも負けず 
夏の暑さにも冬の寒さにも負けずに
強く逞しく育てていこうと、この時梨花は心で誓った。



「梨花」
「ん?」
「乾杯!」





end

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