Ｍｉｌｋｙ ｗａｙ

出会いは突然に…

ダイアモンドの原石

桜咲く季節。街の風景には何もかもが新鮮な雰囲気を漂わせている…。そして誰もが気持ちを新たにスタートをきろうと心弾ませる４月が始まる。

「よし，今日からオレも頑張るかぁ！！」

朝の身仕度を終えるとオレはスーツをまとい，今日から始まる新しい人生を前に気合いを入れた。そして足取りも軽やかに家を出た。

向かう先はＳホテル。市内でも有名な巨大ホテルで結婚式で人気のあるホテルだった。

入口を越えると正面には，
［Ｈ福祉専門学校 入学式］

と看板が出ていた。指示された方向に進むと，入学式の行われる会場があり，そこにはすでに多くの人々が椅子に座っていた。まだ式の前だったので会場内はガヤガヤと入学式独特の雰囲気をかもしだしていた。そして周囲の入学生に自分にはない初々しさを感じた。

専門コースごとに席は区分けされていて，オレは自分のコースの誰も座ってない最前列の椅子に座ることにした。

そして間もなく式が始まった。


式も終わり，集合写真を撮り終え，帰ろうかとしてた時，親しげに声をかけてくるクラスメイトがいた。

「よう！今日からよろしくっ！オレ，ミツオっていうんだ！」

「お…おう，よろしく」

少しためらいながらも，オレはミツオと他のクラスメイトとの初対面を言葉少なめに終わらせた。

「明日から，このメンバーと三年間過ごすんだなぁ…。仲良くやっていければなぁ…。」

オレは帰りながらそうつぶやいた。自分にはないと感じた初々しさとクラスメイトへの戸惑い…。
そんな風に感じた理由は，オレは23歳で彼らは高校卒業間もない18歳だったからだ。

「とにかく頑張るか！」

今日から少し出遅れた新しい生活が始まる。