はじめてを、おしえて。


「でも、ホモ漫画だよ?

しかも、自分で描いちゃうんだよ?

キモいと言わなくてなんて言うの?」



その発言に、他の女子がぷっと吹き出しました。


もうダメだ。


絶対絶命……。


家に帰って、死のう。


そう思った時でした。


藤原君が、言い返したのは。



「……キモくない」



誰もが、目を見張ります。


藤原君は、いつものキラキラした猫目で言いました。



「キモくない。

趣味は、個人の自由だ。

それに、絵は、めちゃくちゃうまい。

才能あるよ、斎藤」




ホモそのものに理解はできないけど、と藤原君は笑いました。



ボクに。



笑いかけました――。


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