はじめてを、おしえて。


女子達は、ぽかんと口を開けたまま、藤原君を眺めています。


藤原君は、散らばった鞄の中身と下書きを残らず集めてくれました。


そして、その鞄を、持ったまま。


既に制服に着替えていた藤原君は、ボクの手を取って、歩きだしました。




ボクは――。




ただ、涙を溢れさせる事しか、できませんでした。




ただ、キミの背中だけを見て、歩きました。



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