はじめてを、おしえて。
そうだ、そのときの話をするはずだったのだ。
それに気づいて、ボクはやっと、涙が止まりました。
「すみません……」
「いや、だから、謝るのは俺だろ?」
とにかく、とボクは床に座らされました。
そして、なんと。
藤原君は、ボクに土下座をしたのです。
「ごめん!
俺が悪かった!
真剣な斎藤見て、胸、触っちまって、
何か、その、ネジが吹っ飛んじまったって言うか……。
キモいのは俺だよな。
嫌な思いさせて、本当にごめん!」
「や、やめてください……」
ボクは額を床につけた藤原君を、起こします。