はじめてを、おしえて。
「怖がらせようとか思ったわけじゃない。
ただ、本当に興味と本能に負けただけだ。
だけどお前はそれだけじゃすまなかったよな。
怖かったよな。
本当に、ごめん」
平謝りされて、なんだかボクの方が申し訳なくなってきてしまいました。
そうか、興味と本能か。
嫌われていたわけじゃない。
嫌がらせなんて、この人がするわけない。
藤原くんの口からその事実が聞けて、途端にボクの胸は軽くなっていきました。
「もう、大丈夫です。
ボクも逃げ続けてしまって、すみませんでした」
「そっか……うん、ありがとう。
ほんと、どう謝っていいか、わからなかったから。
きっかけ作ってくれて、助かった」
藤原君は、やっと顔を上げて、笑ってくれました。