はじめてを、おしえて。
藤原君が、笑ってくれる。
ただそれだけで、ボクの胸は熱くなります。
「こちらこそ……。
すみません、見苦しいところをお見せして」
「ん?さっきの事か?」
「はい……」
「……斉藤、ちょっとこっち来い」
「は?」
いいから、と藤原君はボクの手を引き、部屋を出ます。
そして、隣の部屋に勝手に入っていきました。
「見てみろ」
「う、わ……っ」
その部屋は、ピンクのカーテンや家具に彩られ、可愛らしくあるものの……。
壁には可愛らしくない漫画が、ずらりと本棚に収められ、こちらを見下ろしています。